FOOD 2020.03.25

徹底飲み比べ!自分にぴったりの甘酒を探して vol.1

Sweet Sake 60℃

「美と健康に良い」「飲む点滴」と言われ、最近栄養価が再注目されている甘酒。今回は、甘酒の栄養や得られる効果について調べてみました。編集部スタッフで甘酒飲み比べにも挑戦してみたので、読者のみなさんが「自分が飲みたい甘酒」を見つけるヒントになれば幸いです。

Writer:編集部ナナコ / Photographer:橋本千尋

甘すぎない味と、ちょっと香ばしいような香り、トロッとした飲み心地。寒い日や元気がないとき、なんだか飲みたくなる甘酒。

最近ではその栄養価が再注目され、「美と健康に良い」「飲む点滴」なんてフレーズもよく耳にするようになりました。かくいう今回の記事も、便秘に悩む編集部スタッフの「便秘には甘酒がいいらしい!」というリサーチがきっかけになっています。

スーパーやコンビニでもいろいろな種類の甘酒が並び、手軽に買えるようになりました。けれどそれぞれの違いは、正直よくわかりません。

今回はそんな身近で愛おしい、けれど意外と知らない甘酒について調べてみました。編集部もこの記事を通して甘酒を理解しつつ、自分に合った甘酒を探してみたいと思います。この記事を読むみなさんにも、「自分が飲みたい甘酒」を見つけるヒントになれば幸いです。

甘酒には2つの種類があるらしい

まず、甘酒には2種類あるようです。その違いはズバリ、米麹と酒粕どちらから作るか?です。「米麹甘酒」は米麹のみ、あるいは米と米麹を発酵させて作られ、「酒粕甘酒」は酒粕を砂糖と水で溶いて作られます。

米麹・酒粕それぞれの栄養価と特徴

米麹甘酒

  • アルコールを含まない
  • 砂糖が入っていない
  • お米から感じられる甘い風味がある(麹菌の発酵によりお米のデンプンがブドウ糖やオリゴ糖に変わり、自然な甘みが作りだされる)

酒粕甘酒

  • 微量のアルコールが含まれている(大半の市販品はアルコール度数1%未満)
  • 砂糖で甘みをつけている
  • 清酒に近い風味(日本酒を作る過程できる酒粕は、麹菌と酵母と乳酸菌の発酵でふくよかな香りとコクがある)

なんだかややこしいですが、コンビニでたまに目にする円柱型紙パックの「マルコメ プラス糀米糀から作った甘酒」は一つ目の米麹甘酒で、ワンカップで瓶詰めされた赤文字パッケージの「大関 甘酒」は酒粕甘酒…と言えば想像がつきやすいでしょうか。ちなみに、一番よく目にする缶ドリンクの「森永製菓 甘酒」は、酒粕甘酒の製造過程で、米麹もプラスしています。(ますますややこしくしてしまったかもしれませんね…!)

気を取り直して、次は米麹甘酒、酒粕甘酒それぞれの効能について。

米麹・酒粕それぞれの栄養成分と効能

米麹甘酒

  • アミノ酸:免疫力強化、美肌
  • ブドウ糖:疲労回復
  • 食物繊維:腸内環境改善
  • ビタミンB郡
     - ビタミンB1、B2:美肌、成長、活性酵素の消去
     - ナイアシン:エネルギーを作る、アルコールの分解
     - パントテン酸:エネルギーを作る、美肌、美髪
     - 葉酸:血液を作る、粘膜強化、動脈硬化予防
     - ビオチン:エネルギーを作る、皮膚の炎症を防ぐ、髪と爪の健康維持など

酒粕甘酒

  • タンパク質:筋肉や骨の健康維持、免疫力アップ
  • 炭水化物:体や脳のエネルギー源
  • 食物繊維:腸内環境改善
  • ビタミンB群
     - ビタミンB1、B2:美肌、成長、活性酵素の消去
     - パントテン酸:エネルギーを作る、美肌、美髪
     - ビタミンB6:たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝を助ける
     - 葉酸:血液を作る、粘膜強化、動脈硬化予防など
  • ミネラル:代謝を高める
  • アミノ酸:免疫力強化、美肌
  • ペプチド:冷え性改善
  • 酵母菌由来のβ‐グルカン:免疫力強化、コレステロールを下げる

まず、米麹甘酒の効能は、美肌効果、整腸作用と腸内フローラの改善、体内の酸化防止などが挙げられます。一方、酒粕甘酒の効能には、冷え性改善や筋肉や骨の健康維持などがあり、また米麹甘酒と同様、整腸作用と腸内フローラの改善が期待できます。

こうして並べてみると、重複しているものもあれば、それぞれ異なる部分があることもわかりました。これだけで自分の取り入れたい栄養や、健康上の悩みに合わせてチョイスができますね。

ただ飲む際に留意したいのは、もし温める場合60度以上にはしないこと。60度以上に加熱すると、麹菌が死んでしまいます。また、甘酒は100g=105kcal(お茶碗半分に相当)が適量。体にいいからといって、飲みすぎにはご注意ください。

自分にあった甘酒をさがしてみた

さて、ここからは自分に合った甘酒を探すために、編集部スタッフが実際に飲み比べを実施!

今回は「甘酒初心者でも美味しく飲み続けられそうなもの」という観点を大切に、初心者でも飲みやすい、自然な甘さと様々なバリエーションがある「米麹甘酒」に注目しています。もともと甘酒に興味があった人も、段々気になってきた人も、ぜひぜひレビューを参考にしてみてください。

糀の健康ドリンク ストレート甘糀(はえぬき100%)

  • 特徴:お米の本場・山形の「はえぬき」で作った純米甘酒。アルコールや砂糖など、一切無添加で製造されている。
  • カロリー/内容量 :100gあたり108kcal/内容量200g
  • 編集部メモ:つぶつぶの食感がよく、後味がさっぱりしていて米麹の自然な甘さがおいしい。ついつい一気に飲んでしまう。また、冷凍して半解凍でシャーベットにしたり、温めたり、季節に合わせていろんな味わいが楽しめるのも◎。

魚沼産コシヒカリの甘酒

  • 特徴:魚沼産コシヒカリと米麹で作り上げた昔ながらの甘酒。こちらも、糖類はもちろん保存料など添加物を一切使わずに作られている。
  • カロリー/内容量 :100gあたり105kcal/160g
  • 編集部メモ:丸みのある味わいで、甘さは控えめな印象。ちょっと大人な味わいかも?今まで親しんでいた甘酒の味というより、お餅の味に近い!

麹だけでつくったあまさけ

  • 特徴:砂糖を一切使わずに、麹のでんぷんを糖化させることで優しい甘さを引き出した「あまさけ」。
  • カロリー/内容量 :100gあたり108kcal/118g
  • 編集部メモ:舌触りのなめらかさがピカイチ!こちらも、編集部的にはちょうどよい甘さ加減。

麹だけでつくったすっきりあまさけ 甘さ控えめoff

  • 特徴:糖質を従来品と比べて30%カットしている。
  • カロリー/内容量 : 100gあたり76kcal/118g
  • 編集部メモ:すっきりした味わいながら、甘みもちょうどいいかんじ。舌触りは普通の甘酒のトロッとした感じよりも、さらっとしている。

乳酸発酵の麹あまさけ GABA

  • 特徴:「麹だけでつくったあまさけ」シリーズの中で、初の機能性表示食品。
  • カロリー/内容量 : 118gあたり114kcal/118g
  • 編集部メモ:乳酸発酵とだけあり、ヨーグルトに近い酸味が味わえる。米麹の甘さだけではないすっきりとした風味が楽しめるので、甘酒の味が苦手な人でもチャレンジできそう。

十六穀でつくった麹あま酒

  • 特徴:日本雑穀アワード2018金賞受賞。FYTTEダイエット&ヘルス大賞2018使ってみたい編『甘酒部門』の第一位。
  • カロリー/内容量 : 120gあたり118kcal/120g
  • 編集部メモ:甘さは控えめで、麹の粒がぷちぷちとした食感が楽しい。そんなに味が重くないので、忙しい朝の栄養補給にサクッと飲みたい甘酒。

大吟醸甘酒 健美のしずく

  • 特徴:長野県信濃町の自社農園の水田で生産した農薬、化学肥料を使わずに生産した一等米(あきたこまち)を使用している。
  • カロリー/内容量 :記載なし/200g
  • 編集部メモ:編集部スタッフ的にお気に入りの甘さ(甘みがつよめ)。バナナジュースのようなとろみ。ジュースのように楽しめる甘酒かも。

一夜雪

  • 特徴:糀屋三代目の五ツ星お米マイスターが造った新潟産こしひかりで製造。
  • カロリー/内容量 :100gあたり93kcal/150g
  • 編集部メモ:中くらいの甘さで、さらっとした飲み心地。口に含んだとき米麹の粒がふわっとする食感がたまらない。

広島れもん冷やし甘酒

  • 特徴:国産の米糀と米で造った甘酒に、広島県産レモンの100%ストレート果汁をプラスしたフルーツ甘酒。
  • カロリー/内容量 : 100gあたり164kcal/130g
  • 編集部メモ:米麹の甘みのあとにくる、レモンの爽やかな風味が新鮮。やわらかい米麹の食感とのバランスもいい感じ。

甘酒を飲み続けてみて

冒頭にも少し書きましたが、この企画が生まれたきっかけは編集部スタッフの”便秘”でした。最後に、飲み続けた結果、実際体にどんな変化が起きたのかをみなさんにご報告します。

……結論からいうと、本当に編集部スタッフの便通が改善されつつあります!

甘酒が合う・合わないの個人差はもちろんあると思いますが、米麹甘酒は確かに腸内環境改善に一役買っているのかもしれません。また、甘酒を飲み続けるようになってから、暴飲暴食してもニキビができにくくなったような……?これまでなんとなく、冬の寒い日に飲みたくなっていた甘酒。けれどその正体は、想像以上に体を元気にしてくれる飲み物でした。

栄養豊富で健康や美容に効果があり、まだまだポテンシャルを秘めていそうな甘酒に、より魅せられてしまった我々。これからもひっそりとリサーチを続けつつ、随時甘酒情報を発信してきたいと思っています。

みなさんも、ぜひお気に入りの甘酒を見つけて、編集部に教えてください!

参考

PRODUCED by

編集部 ナナコ

美大卒業後、雑誌編集を経て、現在はフリーのライターやイラストレーター、ADとして活動。

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